「コンタクトの度数の見方がわからない」と悩んでいませんか?パッケージに書いてある記号や数字は、どれもコンタクトを買う時に確認すべき大切な基準。ショップやネットでコンタクトを買う時に、医療機関から指示されたレンズを正しく選ぶためには、度数の見方を理解することがとても大事です。
そこでこの記事では、コンタクトの度数などの専門用語をわかりやすく解説します。
コンタクトの度数を知るにはどこを見ればいい?
コンタクトの度数とは、視力を矯正する力のことです。コンタクトの箱や容器に、「POWER」「PWR」「P」「D」「SPH」のいずれかで記載されています。また、眼科でもらう処方箋(装用指示書)にも記載があるので、両者を照らし合わせて、処方箋に書かれた度数と同じものを選ぶ必要があります。
まずは、「近視」「乱視」「遠視」の眼の状態ごとに、どのような点に注目したらよいのかを紹介します。
近視用コンタクトレンズの度数の見方
近視用のコンタクトレンズは、近視を矯正するための度数が「−(マイナス)」で表示されており、「−3.0D」「−15.0D」のように記載されます。近視の症状が強いほど、(マイナスを除いた部分の)数値が大きいコンタクトをつける必要があります。
遠視用コンタクトレンズの度数の見方
遠視用のコンタクトレンズは近視と逆で、度数は「+(プラス)」で表示されており、「+2.0D」「+10.0D」のように記載されます。遠視の症状が強いほど数値が大きいコンタクトをつける必要があります。
乱視用コンタクトレンズの度数の見方
乱視用コンタクト特有の度数に「CYL(乱視度数)」と「AX(乱視軸)」があります。「CYL」は乱視の度数の強さを示し、「AX(乱視軸)」は乱視の角度を示します。このふたつはセットで表示されているので、乱視がある方はかならず確認しておきたいポイントです。 「CYL(乱視度数)」はマイナスの数値で表示され、-0.75、-1.25、-1.75のような3~4種類の中から選ぶ形となります。(マイナスを除いた)数値が大きくなるほど強度の乱視用ということになります。
「AX(乱視軸)」はゆがんで見える角度を矯正する数値です。「AXIS」と表示されていることもあります。0~180°の角度が表示されているので、装用指示書に書いてある通りのものを選びます。
遠近両用コンタクトレンズの度数の見方
遠近両用コンタクトレンズは、老眼の方が遠く・近くの両方を見えやすくするためのものです。近視であれば近くを見るための度数、遠視であれば遠くを見るための度数があればいいのですが、老眼の場合はどちらも見えやすくするために、近視と遠視の差の度数である「加入度数」というものが存在します。
加入度数はプラス(+)の数字で表示され、「+1.00」「+1.25」のような数値があります。数値はコンタクトレンズの種類ごとに設定されているため、その中から合うものを選ぶ形となります。
コンタクトの度数のマイナス(-)、プラス(+)とは?
眼科から処方されるコンタクトレンズの処方箋や、コンタクトの箱には、「+(プラス)」「-(マイナス)」で度数を表示している項目があります。これは矯正の度数を示したもので、近視であれば「-(マイナス)」、遠視であれば「+(プラス)」となります。ここから、近視用のレンズのことを「マイナスレンズ」、遠視用のレンズのことを「プラスレンズ」と呼ぶこともあります。
度が入っていないコンタクトレンズの数値は「0」となり、そこからマイナスの値(マイナスを除いた数字)が大きくなるほど近視の矯正力が高く、プラスの値が大きくなるほど遠視の矯正力が高くなることを意味します。
各用語の解説
コンタクトレンズには、度数をはじめとしたさまざまな項目があります。使用感や見え方に影響するため、必ず確認してから購入するようにしましょう。
度数(POWER / PWR / P / D / SPH)
コンタクトレンズの度数の表記方法はメーカーによって異なり、「POWER」「PWR」「P」「D」「SPH」の5種類のいずれかで表されます。近視用のレンズは「-(マイナス)」、遠視用のレンズは「+(プラス)」の数字とともに表示され、矯正力が高いほど数値が大きくなります。(近視用の場合は、マイナスを除いた数値が大きくなるほど、矯正力が高くなります。)
ベースカーブ(BC)
コンタクトレンズのカーブの大きさを表します。眼球のカーブには個人差があるため、ベースカーブは使用感に大きくかかわります。数値が大きければカーブがなだらかで、数値が小さければカーブがきついことを示します。
ハードコンタクトレンズの場合、素材が硬いため、眼球にフィットするように0.05mm単位で細かく設定されています。BC7.2~BC8.4ぐらいのものが多いようです。
ソフトコンタクトレンズは素材に柔軟性があるため、ハードコンタクトレンズと比べると厳密な設定はありません。おおむねBC8.3~BC9.0の範囲で設定されています。
乱視度数 (CYL)
角膜と水晶体のゆがみを表す度数で、乱視用のコンタクトレンズに「-(マイナス)」がついた数値で表示されています。数値が大きいほど矯正力は高くなりますが、乱視の程度が軽度であれば、乱視用のレンズでなくても補整が可能なため、もっとも低い数値は「-0.75」となります。
中心軸(AXIS / AX)
「CYL」と共に乱視用のコンタクトレンズに表示されます。「CYL」が乱視の度数を示すのに対し、「AXIS」「AX」は乱視の角度を表わします。「乱視軸」「円柱軸」と呼ぶこともあります。
加入度数(ADD)
近視・遠視両方の症状がある方のための、遠近両用コンタクトレンズに表示される度数です。通常、近視用には近視の度数、遠視用には遠視の度数が設計されますが、遠近両用のレンズは両方を1枚のレンズで見えるようにするため、近くを見るための度数と遠くを見るための度数の差を「加入度数(ADD)」として表示しています。
「+1.00」「+1.25」のようにプラスの数値で表示されるのが一般的ですが、なかにはプラス(+)ではなく、「LOW1.00」「MID1.75」「HIGH2.50」のような表記方法をしているメーカーもあります。
直径(DIA)
コンタクトレンズの直径を表す数値です。「ダイアメーター」または「ダイアミター」と読みます。ハードレンズは角膜より直径が小さく、ソフトレンズは角膜より直径が大きいのが一般的です。
ハードコンタクトレンズはDIA9.0程度が主流で、ソフトコンタクトレンズはDIA13.0~14.5あたりが主流です。
中心厚(CT)
コンタクトレンズの厚みをミリ単位で表わす数値です。度数のように自由に選べるものではなく、コンタクトの種類によって決められています。厚いコンタクトレンズは破れにくく、形状が崩れにくいというメリットがあり、薄いコンタクトレンズは装用感が良く、酸素を通しやすいというメリットがあります。
レンズはmm単位で細かく設定されており、「0.07mm」「0.075mm」「0.1mm」のように記載されています。
使用期限(EXP)
コンタクトレンズの使用期限のことです。未開封の状態でコンタクトレンズの性能や安全性などを保証できる期限を表わしています。コンタクトレンズのパッケージに記載があるので、購入時にかならずチェックしておきたいところです。
ロット(LOT)
コンタクトレンズの製造番号のことです。レンズになんらかの不具合があった場合に、この番号からいつどこで製造され、どのようなルートで販売店に届いたのかを調べることができます。メーカーに問い合わせをする際にはLOTの番号を伝えるとスムーズです。
コンタクトの度数・記号・数値の見方でわからないことがあったら
コンタクトにはさまざまな記号や数値が書いてあるので、「これってなんのこと?」と思う方は多いかもしれません。記事内では主な度数や用語を解説しましたが、もし見方に疑問があれば、かかりつけの眼科やコンタクトレンズショップで相談してください。
また、コンタクトは眼科を受診し、装用指示書を発行してもらってから購入するものです。この装用指示書にはあなたに合った度数などが記載されているので、かならず記号や数値が一致するものを選んでください。