コンタクトレンズを通販で買いたいから、眼科で度数だけ測ってもらいたいという人も多いのではないでしょうか?
確かに自分の度数さえわかれば通販で好きなコンタクトレンズを選ぶことができるように思えます。結論から言うとコンタクトレンズを買うときに度数だけ測ってもらえるかは眼科によります。
この記事では度数だけ測ってもらうことについて様々な角度から解説していきます。
眼科で度数だけを測ってくれない理由
結論から言うと眼科でコンタクトレンズのための度数だけを測ってもらえるかは施設によって異なります。
主な理由には以下のものが挙げられます。
- 眼科の方針
- 度数だけで適切なレンズを選ぶのは困難
- 目の健康に影響がでる可能性がある
眼科の方針
コンタクトレンズ購入のために度数だけ測ってもらえるかは眼科の方針によって異なります。度数だけを測らず診察も必須とする施設もあり、希望通りに行くとは限りません。
コンタクトレンズ処方のために度数だけでは不十分な理由としては、診察を受けずに度数だけ測ると目の状態を把握できず、適切な度数のコンタクトレンズを処方できない可能性があるからです。
またコンタクトレンズは高度管理医療機器であり、施設が眼科医による診察と指導が必要であると考えている場合も、度数を測るだけという希望には沿ってくれない可能性が高くなります。
度数だけ測ってもらいたい場合は事前に眼科に問い合わせて、可能かどうかを確認することをおすすめします。
度数だけで適切なレンズを選ぶのは困難
コンタクトレンズは度数だけ分かれば自分に合うものを選べるわけではありません。
選ぶときは度数以外にもベースカーブ(レンズの曲率)、DIA(レンズの直径)を考慮する必要があります。
ベースカーブとはレンズの曲率を指す数値です。眼球のカーブ率は人によって異なるので、度数だけわかってもベースカーブが合わないと違和感を感じたり、目の中で動きやすくなってしまったりします。
DIAとはレンズの直径を指します。眼球のカーブ率と同様、瞳の大きさも人によって異なります。
自分の瞳よりも大きすぎるDIAのコンタクトレンズでは角膜が酸素不足になりがちです。一方でDIAの小さすぎるコンタクトレンズはゴロゴロしたり、不快感を感じる要因にもなります。
またベースカーブやDIAが仮に合っていたとしてもコンタクトレンズのメーカーや素材によって合う、合わないということが起こることもあり、医師の診断がなければ自分に合うコンタクトレンズを選ぶことが困難となるのです。
目の健康に影響が出る可能性がある
度数だけ合わせててもその他が目に合わないコンタクトレンズを装着すると、目の痛みや違和感、充血などの症状が出る可能性があります。
またせっかくコンタクトレンズを買ったのに視力が矯正されない可能性も否めません。
酸素透過率やDIAなどを適切に選べない場合はドライアイなどの目の状態が悪化する可能性があります。
コンタクトレンズの度数の測り方
コンタクトレンズの度数を調べるには眼科で視力検査を受ける、または空箱の数値を確認するという方法があります。
眼科で視力検査を受ける
最も確実かつ正確に度数を測る方法は眼科で診察を受けることです。
眼科では単純な度数の他にもベースカーブやDIAといった他の数値も合わせて測ってもらえるので、自分の目に合ったコンタクトレンズを選ぶことができます。
また眼科では度数の検査以外にも以下のような項目についてチェックが受けられます。
- 視力検査
- 眼圧検査
- 眼底検査
- 角膜曲率検査
- 涙液検査
- 屈折検査
これらの検査結果に基づいてコンタクトレンズのテスト装用を行い、実際に目に合うかどうかを確認していきます。
眼鏡の度数では正確に測れない
すでに眼鏡を持っている人であれば、眼鏡の度数に合わせればコンタクトレンズの度数も同じになると考える人もいるでしょう。しかし結論から言うと眼鏡の度数とコンタクトレンズの度数は必ずしも一致するとは限りません。
眼鏡とコンタクトレンズではレンズと目の距離に違いがあります。眼鏡の場合、レンズと目の間は約1cmほど離れています。コンタクトレンズは、目の表面に直接装着するため、レンズと目の間には距離がありません。
この距離の違いによって同じ度数のレンズでも、光が屈折する度合いが異なり、見え方に差が生じます。 一般的にコンタクトレンズの方が眼鏡よりも度数が弱くなります。
またレンズの構造にも違いがあり、眼鏡のレンズは目に直接触れずいわば空気の中に存在します。 一方でコンタクトレンズは、涙液に浸されています。
空気と涙液では屈折率が異なるため、同じ度数のレンズでも、光が屈折する度合いが異なり、見え方に差が生じます。
これらの理由により、眼鏡とコンタクトレンズでは同じ度数のレンズを使用することはできません。 それぞれの視力矯正方法に適した度数のレンズを選ぶことが重要です。
ちなみに眼鏡の度数からコンタクトレンズの度数を換算したり、その逆を計算したりすることは可能です。ただし、あくまでも目安であり、正確な度数は眼科医による検査で測定する必要があります。
度数だけを測れなかった場合の対処法
度数だけを測ってもらえなかった場合は、最初の一回は諦めて眼科で測ってもらうか、通販で買う方法があります。
最初の一回は諦めて眼科で測ってもらう
度数だけを測ってもらえなかった場合は大人しく眼科でその他の項目も測ってもらうのがおすすめです。
コンタクトレンズは度数だけでは自分に合っているかどうか判断することが難しい矯正方法です。
眼球の曲率や瞳の大きさ、目の状態などコンタクトレンズを装用するには事前に調べたほうが良い項目が多くあるので、最初の一回は諦めて眼科で調べてもらいましょう。一度自分にあう度数やBC、DIAが分かればそれ以降は通販や店舗で直接購入することも可能です。
ただしコンタクトレンズを装用するには定期的に眼科で検査を受けることが推奨されるので、たとえ通販などで購入していたとしても3ヶ月に一回は目の状態を見てもらうことをおすすめします。
通販で買う
過去にコンタクトレンズを作ってもらったことがある人であれば、その時の度数やBCを基準に通販で購入することも可能です。
ただし目の状態に異常がある場合や合っていないコンタクトレンズを装用し続けることは眼病や眼精疲労の原因となります。
視力低下が進んでいる可能性もあるので、最初に測ってもらってから期間が大きく空いている場合は一度眼科で検査を受けることをおすすめします。
また一度も度数を測ってもらっていないのに当たりをつけて適当に購入することも避けましょう。
度数だけを測れなかった場合の対処法
眼科の処方箋の準備なしでコンタクトレンズを買うには、通販の利用または街のコンタクトレンズ販売店で購入する方法があります。
通販を利用する
インターネットの通販では処方箋の準備なしでコンタクトレンズを販売しているサイトがあります。ただし、購入前に必ず以下の点を確認しましょう。
- 販売業者が厚生労働省の認可を受けた医療機器販売業者であること
- 販売しているコンタクトレンズが、日本の薬事法で承認されたものであること
- 自分の目に合った度数やBC値のレンズを取り扱っていること
上記の確認が取れないサイトや業者から購入すると、偽造品や品質の悪いレンズに当たってしまう可能性もあります。
街のコンタクトレンズ販売店で購入する
一部のコンタクトレンズの販売店では眼科医の診察を受けずにコンタクトレンズを購入することができます。
ただし、販売店によっては、過去に眼科医から処方された度数やBC値を確認するなど、購入条件を設けている場合もあるので、その際は測ってもらった値を伝えるようにしましょう。
処方箋の準備なしでコンタクトレンズを買うときのメリット・デメリット
処方箋の準備なしでコンタクトレンズを買うときは以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 眼科に行かなくて済む
- 欲しいときにすぐ買える
- 安く購入できる
デメリット
- コンタクトレンズの試着ができない
- 自分に合ったものを選べるとは限らない
- 目の健康状態を把握できない
メリット①眼科に行かなくて済む
処方箋の準備なしでコンタクトレンズを買える大きなメリットは眼科に行かなくて済むことです。
眼科に毎回行くとなると時間と手間がかかりますが、自分で購入できれば時間を節約できます。 また眼科によっては予約が必要だったりとめんどうなこともありますが、処方箋の準備なしであればいつでも購入できるのもメリットです。
また人によっては、眼科に行くのが心理的に負担と感じる場合があり、そのような方にとっても自分で購入できることは大きなメリットといえるでしょう。
メリット②欲しいときにすぐ買える
処方箋の準備なしであればほしいときにすぐ購入できることもメリットです。
インターネット通販で購入すれば、24時間いつでも購入でき、更に自宅まで配送してもらえます。実店舗であれば購入すれば、在庫があればその場で持ち帰れるので、急ぎでコンタクトレンズが必要になった場合にありがたい存在といえるでしょう。
メリット③安く購入できる
処方箋無しで購入する場合は当然ですが、処方箋料がかからないので、その分安く購入することができます。またネットの通販では実店舗よりもさらに安く購入できる場合もあります。
その他にもアウトレットなどの格安販売店で購入すれば、通常よりも遥かに安く買うことができるのでお財布にも優しいといえるでしょう。ただしネット通販や格安店で購入する場合は信頼できる業者から購入することが重要です。
安すぎて粗悪品を掴まされては元も子もないので、厚生労働省が許可した業者かどうか、販売しているコンタクトレンズが日本の薬事法によって認可されたものかなどを確認するようにしてください。
デメリット①コンタクトレンズの試着ができない
処方箋の準備なしで購入する場合は当然ですが、実際に装用することができません。
自分の度数やBCなどがわかっていても、実際に付けてみないと、つけ心地や見え方がわからないことがあり、場合によっては合わないということもありえます。
レンズが自分に合っていない場合、目の疲労や頭痛などの症状を引き起こす可能性があるので、少しでも違和感を感じたときは装用を中止し、眼科医の診断を受けるようにしましょう。
デメリット②自分に合ったものを選べるとは限らない
処方箋の準備なしで購入するデメリットの一つは、自分にあうコンタクトレンズの度数などが正確にわかっていない場合は、目の状態に合っていないレンズを選んでしまう可能性があることです。
また眼科医による検査を受けずに購入するため、目の異常を見逃してしまう可能性もあり、長期的には望ましいとは言い難いものがあります。
デメリット③目の健康状態を把握できない
通常、コンタクトレンズを装用する場合は定期的な検査が推奨されています。
処方箋の準備なしでコンタクトレンズを購入するということは眼科に行かなくて済む一方で、目の健康状態を把握できないというデメリットもあります。
コンタクトレンズは眼球に直接触れるものなので、取り扱いには一定の注意が必要です。また目に起きた炎症を放置すると最悪失明などのリスクもあります。
処方箋の準備なしでコンタクトレンズを購入した場合でも定期的に眼科で検査を受けることをおすすめします。
まとめ:度数だけ測っても自分にあうコンタクトレンズを選ぶのは難しい
以上、コンタクトレンズ購入時に度数だけを測ってもらえるかについて解説してきました。
結論から言うと度数だけを測っても、自分に合うコンタクトレンズを選ぶことは困難といえます。
またコンタクトレンズを装用するときの目の健康状態も把握できないので、眼病の予防や治療が遅れるというデメリットもあります。
一度しっかりと自分に合う度数やベースカーブを測ってもらえば、次回からは通販やコンタクトレンズ販売店で購入することも可能ですが、コンタクトレンズを日常的に装用している場合は3ヶ月に一度は目の状態を診てもらうことが推奨されます。
コンタクトを買うためにわざわざ眼科に行くのは面倒かもしれませんが、大切な目を守るためにも定期的に眼科で検査を受けるようにしましょう。
コンタクトレンズを安全にご使用いただくために
- 眼科医より処方、指示を受け、それをお守りください。
- 製品に添付されている使用者向け添付文書を必ず読み、熟知ください。
- 装用時間、装用サイクルをお守りください。
- 取扱方法等を守り正しくご使用ください。
- 定期検査を少なくとも年に1回以上お受けください。
- 眼科医の処方、指示に基づき購入するよう努めてください。
- 少しでも異常を感じたら直ちに装用を中止し、眼科医の検査をお受けください。
- 破損等の不具合があるレンズは絶対に使用しないこと