みなさんの周りに、「コンタクトをいつも長時間つけっぱなしにしている」「コンタクトをつけっぱなしで寝てしまったけど大丈夫だった」と言っている人がいるかもしれません。しかし、コンタクトを長時間つけっぱなしにしていると、目の病気が発症するリスクが高まってしまいます。
この記事では、コンタクトをつけっぱなしにすることで生じるリスクや、つけっぱなしにしてしまったときの対処法などについて詳しく解説します。
コンタクトをつけっぱなしでも大丈夫?
コンタクトを長時間つけっぱなしにしてしまったり、つけたまま寝てしまったりすると、目のかゆみや充血の症状が起こるケースがあります。その場合は、「アレルギー性結膜炎」という目の病気が原因である可能性があります。これはレンズの汚れが原因となるアレルギー反応によって起こります。
また、コンタクトを長時間つけていると涙が流れにくくなります。涙には目に酸素を届ける役割がありますが、コンタクトをつけっぱなしで寝てしまうと、目に必要な量の酸素が十分に行き届かなくなり、結果として、目の乾燥につながることがあります。
つけっぱなしで起こるリスクのある主な病気・症状
ここでは、コンタクトをつけっぱなしにすることで起こるリスクのある主な病気・症状について、さらに詳しくお伝えします。
アレルギー性結膜炎
アレルギーによって結膜に炎症が生じた状態を「アレルギー性結膜炎」といいます。
コンタクトをつけっぱなしにすることで、アレルギーの素因(花粉、ダニ、ハウスダストなど)が目に溜まり、結果として、充血で目が赤くなる、かゆくなる、目やにが出る、ゴロゴロした異物感を感じるなどの症状が現れます。
角膜感染症
角膜感染症は、病原性のある微生物が角膜(黒目)に付着し、繁殖した状態のことをいいます。
コンタクトをつけっぱなしにしてしまうと角膜に傷ができやすくなり、そこに微生物が付着・繁殖しやすくなるのです。角膜感染症を起こす主な微生物には、細菌、真菌(病原性を持つカビ)、アカントアメーバ、ヘルペスウイルスなどがあります。
角膜内皮障害
すでに説明したように、コンタクトをつけっぱなしにしていると目が酸素不足になったり、角膜に傷ができやすくなったりします。
このような原因によって、角膜の透明度を維持するために必要な角膜内皮細胞がある限度を超えて少なくなると、角膜にむくみが発生し、角膜の透明度が維持できなくなります。これは水疱性角膜症という病気で、治療は現時点では角膜移植しかありません。
症状としては、視界がかすんで見えたり、角膜上皮細胞が剥がれやすくなって非常に強い目の痛みを感じたりすることがあります。
目に張り付いて取りづらくなる
コンタクトをつけっぱなしにしていると、乾燥によってコンタクトが目に張り付き、取りづらくなります。
寝ているときにつけっぱなしにしている時も同様です。睡眠中はまばたきをしないため、涙が目に行き届かず、目が乾燥しやすくなっています。さらに、まぶたに押されることでよりコンタクトが目に張り付きやすくなってしまいます。
なお、コンタクトをつけっぱなしにして寝たとしても、コンタクトが目の裏側に入りこむようなことはありません。ただ、まぶたの内側の奥の方に入り込む恐れはあります。そうなると簡単には取り外せないので、無理せずに眼科に行って取ってもらうようにしましょう。
充血や目やにが出る
コンタクトを長時間つけっぱなしにしていたり、つけっぱなしにしたまま寝たりすると、目が充血して目やにが出ることもあります。寝ている間には涙の分泌量が低下し、着けているレンズが汚れていても洗い流すことができず、汚れや雑菌が繁殖しやすくなってしまうことが一つの原因です。
目が酸素不足になる
コンタクトは角膜にフタをしてしまうため、つけっぱなしにしていると、目に酸素が届きにくくなり、目が酸素不足に陥ります。
目が酸素不足になると、普段よりもダメージを受けやすくなったり、細菌やカビなどに感染しやすくなったり、視力低下や失明に繋がったりするため注意が必要です。
コンタクトのつけっぱなしで失明することはある?
コンタクトをつけっぱなしにしていると、最悪の場合、失明することもあります。
細菌やアカントアメーバが原因となって起こる角膜感染症や角膜内皮障害では、放置して重症化すると失明するリスクがあります。
特に、酸素透過率が低いコンタクトをつけっぱなしにしていると、酸素不足になりやすく、危険です。
使用時間や期限を守らない使い方で失明した例もあるので、装用の際には眼科医の検査・指示に従うようにしましょう。
コンタクトをつけっぱなしにしたまま寝てしまったときの対処法
コンタクトをつけっぱなしにしたまま寝てしまったときは、外して、目を休ませるようにしましょう。
まずは手を石けんで洗ってきれいにしてから、焦らず落ち着いてコンタクトを外しましょう。コンタクトが外れにくくなっていることもあるので、その場合には、人工涙液で水分を補ってから外すようにしましょう。
コンタクトが外れない場合や、充血、かゆみ、痛みなど目の異常を感じる場合は眼科を受診するようにしましょう。
コンタクトの装着に関するQ&A
最後に、コンタクトの装着に関する気になる質問にお答えします。
昼寝するときも外すべき?
昼寝するときも外すようにしましょう。短時間だとしても、コンタクトをつけっぱなしにして眠ってしまうと、目に大きな負担がかかります。
昼寝やうたた寝のときにはつい外し忘れてしまうこともありますが、毎回ちゃんと外すように注意しておきましょう。
短時間ならつけっぱなしでもいい?
昼寝するときと同じく、短時間だとしても、コンタクトをつけっぱなしで寝てしまうと目が大きな影響を受けることがあります。
上での説明にもありましたが、眠っているときにはコンタクトが目にくっついて外れにくくなったり、目の表面が傷ついたりすることがあり、様々なトラブルの原因になる可能性があります。短時間でも外すようにしましょう。
お風呂に入るときはつけっぱなしでもいい?
お風呂は温度が高いため、目が乾燥しやすく、コンタクトが張り付きやすくなります。そのため、お風呂に入るときは必ずコンタクトを外しましょう。
乾燥以外にも、コンタクトに雑菌がついたり、コンタクトが変形したり、コンタクトが流れてなくなってしまったりすることがあります。
つけっぱなしにしてもいいコンタクトはある?
「連続装用タイプ」といって、就寝中につけっぱなしにしていても通常のコンタクトより負担を軽減できるコンタクトがあります。
ただし、毎日つけっぱなしにして寝るなど、過度に装用すると目に負担がかかって、視力の低下や痛みなどの症状が出ることがあります。
連続装用タイプのコンタクトを使う場合も、眼科医の指示に従って使うようにしましょう。
装用時間を守ってつけっぱなしにはしない
ここまで、コンタクトをつけっぱなしにすることによる様々なリスクを説明してきました。このようなリスクを防ぐために、必ず装用時間を守るようにしましょう。
日頃からつけっぱなしにしないように習慣づけるのもおすすめです。例えば、下記のように決めておくのも良いでしょう。
- 帰宅したらまずは手を洗ってコンタクトを外す
- プールやお風呂ではコンタクトをしない
- 清潔な手でコンタクトを触る
- コンタクトだけでなく、ケースも清潔に保つ
このようにコンタクトの適切なつけ方を守って、つけっぱなしにはしないようにしましょう。
コンタクトを購入するときは医療機関の受診を!
コンタクトにはさまざまな度数やサイズがあります。自分の目に合っていないと、見にくさの原因になったり、不快な症状が生じたり、目の病気につながったりすることがあります。そのため、コンタクトの購入前に医療機関を受診し、処方箋をもらうことが大事です。
ミテミィコンタクトは、医療機関の「CLINIC FOR」と提携をしています。各種検査や、オンラインでの処方箋(装用指示書)の発行を行っているため、コンタクト購入時は受診をご検討ください。
コンタクトレンズを安全にご使用いただくために
- 眼科医より処方、指示を受け、それをお守りください。
- 製品に添付されている使用者向け添付文書を必ず読み、熟知ください。
- 装用時間、装用サイクルをお守りください。
- 取扱方法等を守り正しくご使用ください。
- 定期検査を少なくとも年に1回以上お受けください。
- 眼科医の処方、指示に基づき購入するよう努めてください。
- 少しでも異常を感じたら直ちに装用を中止し、眼科医の検査をお受けください。
- 破損等の不具合があるレンズは絶対に使用しないこと