コンタクトには様々な種類や度数などの数値があり、目の形や視力によって適切なものを選ぶ必要があります。
初めてコンタクトを購入するときは、眼科で処方箋をもらい、その内容に沿ってコンタクトを選ぶのが安心。また、コンタクトの購入時に処方箋の提出が義務となっているお店もあります。
初めてコンタクトを購入するときは、眼科で処方箋をもらい、その内容に沿ってコンタクトを選ぶのが安心。また、コンタクトの購入時に処方箋の提出が義務となっているお店もあります。
コンタクトの処方箋の内容
コンタクトの処方箋は、正式には「コンタクトレンズ装用指示書」と言います。ここには、コンタクトレンズの規格、数量、製品名、つける方法などが記載されています。
まずは、コンタクトの処方箋に記載されている数値について、詳しく説明します。
曲面度数
曲面度数は、POWER、PWR、P、D、SPHなどのアルファベットで表記されている数値です。
近視または遠視を矯正するための数値であり、マイナス度数は近視、プラス度数は遠視を矯正するための数値を表しています。
たとえば「-9.00」「+6.00」のように表記され、数値が大きくなるほど矯正力が高いです。
なお、裸眼視力からコンタクトの度数を求めることはできません。眼科で検査を受け、適切な曲面度数を知る必要があります。
ベースカーブ
ベースカーブは、コンタクトの曲面の曲がり具合を表す数値です。BCで表し、「BC8.3」、「BC9.0」のように表記されています。
BCが小さいほどカーブがきつく、大きいほどカーブが緩やかになるため、眼球が大きい人はBCも大きいものをつける必要があります。
BCが小さすぎると圧迫感を感じる、目に貼りつく、充血するなどの症状が出るリスクがあります。逆に、BCが大きすぎると、ズレたり、目から外れやすくなったりするため、適切なサイズのものを選ぶことが大事です。
なお、日本人の平均サイズはBC8.6~BC8.7程度と言われています。
乱視度数、乱視軸
乱視用コンタクトのみに表記される数値に、乱視度数(円柱度数)と乱視軸があります。
乱視度数はCY(またはCYL)で表記され、「CY-0.75」、「CY-1.25」、「CY-1.75」のように記載されています。数値が大きいほど強い乱視が矯正できます。
一方、乱視軸はAX(またはAXIS)で表記され「AX10」、「AX20」、「AX160」、「AX180」のように記載されます。乱視は乱視の角度(乱視軸)によってものが二重に見える方向が異なり、0〜180度の中で適切な乱視軸のものを選ぶことで、ものがしっかり見えるようになります。
加入度数
遠近両用コンタクトのみに表記される数値に、加入度数があります。これは、遠視用の度数と、近視用の度数の差を表す数値です。
表記の仕方は、「ADD+1.00」、「ADD+1.50」のようにアルファベットと数字で記載されるか、「LO」、「MED」、「HI」のようにアルファベットのみで記載される2パターンがあります。
ADDの数字が大きい(または「HI」)ほど近くを見る矯正力は強くなりますが、見え方の質は低下します。
なお、加入度数は、遠くを見るための度数(曲面度数/PWR)に対して、近くを見るための度数をどのくらい足すかを示す数値です。つまり、「PWRが-5.00」の場合、「ADDが+1.00」なら、-4.00の度数で近くを見ることになります
コンタクトの処方箋(指示書)のもらい方
指示書は、コンタクトレンズの取り扱いがある眼科などの医療機関を受診して発行してもらいます。発行のためには、診察を受け、さまざまな検査を受ける必要があります。詳しく見ていきましょう。
①各種視力検査・診察
まずは、以下のような問診や検査、診察を受けます。
- 問診:目の症状や既往歴、内服薬の有無・コンタクトレンズの使用頻度などを問診で確認する
- 他覚的屈折検査:屈折異常(近視/遠視/乱視)の程度や、目の形を測定する
- 自覚的屈折検査(視力検査):他覚的屈折検査の結果をもとに、検眼レンズをかけて視力検査を行う
- 診察:目はコンタクトレンズをつけられる状態か、異常はないかなどを確認するために、医師が目の表面や奥のほうを観察する
②コンタクトの選定、フィッティング
コンタクトを使える状態だと判断されれば、検査の結果をもとに、コンタクトの種類を選びます。
そして、コンタクトを実際につけてみる装用練習を行いながら、つけ心地や、レンズと目の形が合っているかどうかを確認し、コンタクトの種類を最終決定します。なお、装用練習では外すことがなかなかできない方も多く、時間がかかることがあります。
最後にコンタクトレンズをつけて視力検査を行い、コンタクトの度数を決めます。
③説明を受ける
コンタクトレンズの扱い方や注意点に関する説明があるケースが多いです。代表的な注意点には、コンタクトを触るときは手を清潔にすること、コンタクトをつけたまま寝ない、専用のケア用品でケアするといったことが挙げられます。
④指示書の受け取り
診察が全て終わったら、診察料の支払の際に処方箋指示書を渡されます。その後、処方箋指示書を持ってコンタクトの販売店に行くか、処方箋をもとにインターネットなどでコンタクトを購入します。
コンタクトの買い方の詳細は、以下の記事で解説しています。
コンタクトの買い方とは?検査〜購入までの流れを詳しく解説!コンタクトの処方箋をもらうための費用相場
コンタクトの処方箋をもらうには、眼科の受診料と検査料が必要です。保険が適用されるので、保険証を持っていきましょう。忘れると全額自己負担になることがあるため注意してください。
【3割負担の場合の費用相場】
- 初診の場合:1,000円〜1,600円程度
- 再診の場合:400円〜900円程度
なお、コンタクトの購入には別途費用がかかります。
コンタクトを始める際の眼科受診~購入にかかる値段の詳細は、以下の記事で解説しています。
コンタクトを始める際の眼科受診~購入にかかる費用とは?眼科に行くべき理由も紹介!コンタクトの処方箋には有効期限がある!
処方箋には有効期限があり、期限が過ぎたものは使えません。長いものだと3ヶ月ほどの期間がありますが、2週間~1ヶ月程度と短いものもあるため注意しましょう。
なお、コンタクトは高度管理医療機器に分類されており、処方箋の有効期限は医療機関が設定できるため、眼科によって期間に差があります。
有効期限がある理由
視力の低下などによって度数が変わったり、目の状態が変わって合うコンタクトが変わったりするため、有効期限が存在します。
また、一度処方箋をもらったからといって、その後ずっと同じコンタクトを買うようなことはせず、定期的に検査を受けるとよいでしょう。目のトラブルや障害が起こることもあるため、1~3ヶ月に1度は定期検査を受けることが大事です。
なお、症状がなくても視力の変化や目のトラブルが起こっていることもあります。片方の視力だけが低下していると、視力低下に気づきづらく、左右のバランスが悪くなることで肩こりや頭痛、めまい、吐き気などの症状が出ることもあるため注意しましょう。
有効期限が切れたらどうすればいい?
処方箋の有効期限が切れたら、再度眼科を受診して処方箋をもらう必要があります。
処方箋なしでコンタクトを購入できるお店もありますが、有効期限切れの処方箋をもとに購入したコンタクトでは安全が保障されないため注意が必要です。
眼科で処方箋だけもらうことはできる?
コンタクトは眼科や眼科併設の店舗で購入ができます。眼科によっては、処方箋のみの発行は行っておらず、受診した眼科や眼科併設の店舗での購入が必要なケースもあります。
一方、必要な検査を受ければ処方箋が発行され、購入はどこでもOKという眼科もあります。その場合は、ネット通販やまちのメガネ店を自分で探し、購入することができます。
なお、眼科などで度数だけを測り、ネットや自分で選んだお店でコンタクトを購入したい人もいるかもしれません。しかし、裸眼視力からコンタクトの度数を求めることはできないので、一般的な視力検査以外にも眼科でさまざまな検査を受ける必要があります。
そのため、コンタクトを始めたい方は、眼科受診が必須となります。
度数だけ測りたいと思っている方は、以下の記事も併せてご覧ください。
コンタクトレンズは度数だけ測ってもらえるのか?眼科で初めてコンタクトレンズを買う手順を解説処方箋なしでコンタクトを購入するリスク
実は、コンタクトを購入する際の処方箋提出に関して、法的な義務はありません。そのため、処方箋不要でコンタクトが購入できるお店やネット通販もあります。
ただ、自己判断で選んだコンタクトを使い続けると、目に不調が出たり、目の障害を引き起こすリスクもあります。そのため、眼科を受診して処方箋を受け取ったうえで、その情報を参考にコンタクトを購入するのがよいでしょう。この点について、さらに詳しく解説します。
コンタクトが目に合わない可能性がある
処方箋なしで自己判断でコンタクトを購入すると、素材や形、厚みが目に合わない可能性があります。そうすると、張り付く感じやゴロゴロした感じなどの症状につながることがあります。
眼科では、度数だけでなく目に合っているかどうかも細かくチェックしてもらえるので、眼科で検査を受け、処方箋をもとに購入するのがよいでしょう。
疲れやすくなったり見えにくかったりする可能性がある
コンタクトには、一般的な度数以外にも、乱視度数や加入度数、カーブなどさまざまな指標となる数値があります。どれか1つでも合っていないコンタクトを使うと、見えづらかったり、疲れやすくなったりすることがあるため注意が必要です。
目のトラブルにつながる
処方箋なしでコンタクトを買うと、コンタクトが目に合わないことによるトラブルにつながる可能性があります。眼科に行く機会も減るため、目の病気などに気づくのが遅れるリスクもあります。
症状がなければ大丈夫、と思うかもしれませんが、自覚症状がなくても目のトラブルが起こっているケースもあるため、注意が必要です。
以上のことから、1~3ヶ月に1度は検査を受け、目の状態や、合うコンタクトが変わっていないかなどを確認してもらいましょう
ミテミィコンタクトのご紹介
眼科での定期的な検査を受けられていて、目の症状やコンタクトレンズの見え方に問題無い場合には、オンラインで指示書をもらうことのできる医療機関もあります。
ミテミィコンタクトでは、眼科を受診されたことがあり、これまで利用されているレンズと同じレンズを利用されたい方に、提携医療機関との連携によりオンラインでの指示書発行・コンタクトレンズのお届けを行うサービスを行っています。
コンタクトレンズを安全にご使用いただくために
- 眼科医より処方、指示を受け、それをお守りください。
- 製品に添付されている使用者向け添付文書を必ず読み、熟知ください。
- 装用時間、装用サイクルをお守りください。
- 取扱方法等を守り正しくご使用ください。
- 定期検査を少なくとも年に1回以上お受けください。
- 眼科医の処方、指示に基づき購入するよう努めてください。
- 少しでも異常を感じたら直ちに装用を中止し、眼科医の検査をお受けください。
- 破損等の不具合があるレンズは絶対に使用しないこと