コンタクトレンズを使ってみようと思っているけれど、初めて選ぶときはどんなコンタクトレンズを選ぶと良いのか分からないですよね。
この記事では、コンタクトレンズにはどんな種類があるのかを、素材、使用期間、使用目的のカテゴリーでご紹介。
それぞれどんな方におすすめなのかもお伝えします。この記事を通して、あなたに合うコンタクトレンズを見つけてみてください。
コンタクトの入れ方
コンタクトレンズを選ぶ上ではじめに考えると良いのが、ソフトコンタクトレンズにするか、ハードコンタクトレンズにするかです。ここでは、それぞれの特徴と、どんな人におすすめなのかをご紹介します。
ソフトコンタクトレンズ
ソフトコンタクトレンズは、水分を含んだ柔らかい素材でできた弾力性のあるコンタクトです。装着したときの異物感が少ないこと、一般的に黒目より大きくなっており、角膜全体を覆うことが特徴です。
一方で、視力の矯正能力はハードコンタクトレンズに比べると劣るため、近視や乱視が強い人にはあまり向いていません。また、角膜が傷ついても痛みを感じづらく、異変に気づくのが遅くなるという懸念点もあります。繰り返し使うタイプの場合は、夜には必ず外し、消毒液に漬けてケアをしっかり行うことが大事です。
ソフトコンタクトレンズがおすすめな人
ソフトコンタクトレンズがおすすめなのは、以下のような方です。
- 初めてコンタクトレンズを使う人
- スポーツをする人
- つけ心地を重視する人
- 近視や乱視がそれほど強くない人
ソフトコンタクトレンズは、装着したときの異物感が少なく慣れやすいため、初めてコンタクトレンズを使う場合に向いているでしょう。目になじみやすく外れにくいため、スポーツをする方にもおすすめ。
また、柔らかく異物感が少ない上に、基本的にレンズが黒目より大きく、角膜全体を覆うことでずれにくいため、つけ心地を重視する方にもおすすめです。
なお、視力矯正能力はハードコンタクトレンズより劣るため、近視や乱視がそれほど強くない方向きです。
ハードコンタクトレンズ
ハードコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズより硬く、酸素を通しやすい(酸素透過率が高い)素材でできたレンズです。
酸素透過率とは、レンズがどの程度酸素を通すかの指標です。角膜が酸素不足になると、感染症などのトラブルにつながる可能性があるため、目の健康を保つためには角膜に十分な酸素を届ける必要があります。ソフト、ハードともに酸素透過率が24.1以上*あるコンタクトレンズを選ぶのがよいとされています。
また、黒目より一回り小さいサイズなので装着しやすく、目を覆う面積が小さいため、目への負担が少ないのが特徴。強度近視や乱視の矯正に優れています。また、角膜に傷ができたときに目に痛みが生じやすいので、すぐ異変に気づくことができ、結果的に重傷になることを防げます。
一方で、硬い素材でできているため、異物感を感じやすく、ソフトコンタクトレンズより慣れるのに時間がかかります。
*参考 B A Holden, G W Mertz, Critical oxygen levels to avoid corneal edema for daily and extended wear contact lenses, 1984 Oct;25(10):1161-7.
ハードコンタクトレンズがおすすめな人
ハードコンタクトレンズがおすすめなのは、以下のような方です。
- 強度近視や乱視がある人
- スポーツを普段しない人
- つけ心地を重視する人
- 目をいたわりたい人
ソフトコンタクトレンズに比べて視力矯正能力が高いため、強度近視や乱視がある方におすすめ。
また、ソフトコンタクトレンズよりはややズレやすいため、スポーツなどをしない方のほうが向いていると言えます。
酸素を通しやすく、目を覆う面積も小さいので、目への負担が少ないことから、目をいたわりたい方にもおすすめです。
レンズの使用期間による違い
次は、使用期間について検討してみましょう。使い捨てのものから、ケアをしながら何度も使えるものまで、使用期間によって大きく3種類に分類されるので、ここでご紹介していきます。
使い捨てソフトコンタクトレンズ(ワンデーコンタクトレンズ)
使い捨てコンタクトレンズ(ワンデーコンタクトレンズ)はその名の通り、使用期間が1日のソフトコンタクトレンズです。
なお、1日経っていなくても、一度装着し、目から外したものは捨てて、再使用しません。レンズケアの必要もありません。
使い捨てソフトコンタクトレンズがおすすめな人
使い捨てソフトコンタクトレンズがおすすめなのは、以下のような方です。
- 毎日清潔なレンズを使いたい人
- 毎日のレンズケアの手間をなくしたい人
- 普段はコンタクトをつけておらず、スポーツや旅行などで一時的に使用したい人
1日使い捨てのため、毎日清潔なレンズを使いたい方におすすめです。清潔でないレンズを使用した場合、眼の感染症にかかってしまうリスクがあります。清潔なレンズを使うためにケアをしながら使用する方法もありますが、手間がかかるため、その手間を省きたい方にも向いています。
また、普段はメガネを使用しているけれど、スポーツや旅行などで一時的にメガネではなくコンタクトを使いたいという方にもおすすめです。
頻回交換・定期交換ソフトコンタクトレンズ(2ウィークコンタクトレンズ、1マンスコンタクトレンズ)
交換するタイプのソフトコンタクトレンズには、2週間で頻回交換するものや、1ヶ月で定期交換するものがあります。2ウィーク、1マンスという呼び方もします。
このコンタクトレンズは使用期間が過ぎたら必ず交換する必要があります。開封したら、使わなくても処分しなければなりません。また、使用期間内は毎日ケアする必要があります。
なお、期限を過ぎたものは未開封の場合でも有効性や性能が保証されないので、必ず使用期限を守って使用してください。
2週間頻回交換ソフトコンタクトレンズ・1ヶ月定期交換ソフトコンタクトレンズがおすすめな人
2ウィークや1マンスのソフトコンタクトレンズは、以下のような人におすすめです。
- 基本的に毎日コンタクトレンズを装用しようと思っている人
- ワンデーよりも1日あたりのコスパが良いソフトレンズを探している人
- 毎日のケアをきちんと、正しくできる人
ほぼ毎日コンタクトレンズを使う場合はコスパなどをふまえると、2ウィークや1マンスがおすすめです。その分毎日ケアする必要があるため、きちんと正しくケアできる方に向いていると言えます。
なお、2ウィークよりも1マンスのほうが1日あたりの価格が低くなることが一般的です。
コンベンショナルレンズ
コンベンショナルレンズは、1~2年といった長期にわたって使い続けるコンタクトレンズのことです。
主にハードレンズがこのタイプにあたり、毎日ケアをしながら長期間使用します。きちんとケアをし続けた場合、視力の変化などがない限り、2~3年にわたって使用することもできますが、紛失・破損した場合はレンズの買い直しが必要になります。
コンベンショナルレンズがおすすめな人
コンベンショナルレンズがおすすめなのは、以下のような方です。
- 高コスパでコンタクトを使用したい人
- 毎日のケアをきちんと、正しくできる人
- 紛失、破損しないよう管理ができる人
しっかりケアをしていれば2~3年程度使えるメーカー製品もあるようです。ソフトコンタクトよりも1日あたりの価格が安くなることが一般的であるため、高コスパでコンタクトを使用したい方におすすめです。また、毎日のケアをきちんと正しくできる方や、紛失・破損しないよう管理ができる方におすすめだと言えます。
使用目的による違い
コンタクトレンズは、視力補正用とおしゃれ用の2種類に分類されます。ここでは、使用目的による違いについてご紹介します。
視力補正用レンズ
視力補正用レンズは、その名の通り、視力を補正するためのレンズです。
光が網膜上に焦点を結ぶよう調節し、見えやすくするという仕組みになっています。一般的にメガネの代わりに使用されるのはこの視力補正用レンズです。
近視用、遠視用、乱視用、遠近両用があるので、眼科で適切なタイプや度数を調べてもらい、自分に合ったものを選びましょう。
おしゃれ用レンズ(カラーコンタクトレンズ、サークルレンズ)
おしゃれ用レンズは、レンズ自体にカラーやサークルなどの装飾がついており、目の色を変えたり、目を大きく見せたりしておしゃれをしたいときに使用するレンズです。
代表的なものがカラーコンタクトレンズ(カラコン)ですが、視力補正用のコンタクトでも、色が入っている商品がありますし、カラコンにも度数ありの商品はあります。
しかし、素材によっては酸素透過率が低いものがあり、目への負担が大きくなる場合があります。また、カラーコンタクトレンズには、金属系の染料が使われていることもあり、金属アレルギーがある場合は使えないこともあります。
視力補正用レンズだけでなく、おしゃれ用レンズも含めて高度管理医療機器に含まれます。使用する場合は、大事な目の健康を守るため、事前に眼科の診療を受け定期的な検診を行うるようにしましょう。
コンタクトの種類を変えたいときは?
ハードコンタクトレンズからソフトコンタクトレンズ、ワンデーから2ウィーク、違うメーカーのものに変えるなど、使用するレンズの種類を変えたい場合や、新しくメガネからコンタクトに変えたい場合には、必ず、コンタクトを処方してくれる眼科を受診する必要があります。
コンタクトには度数や大きさなどさまざまな違いがあり、目の状態によって適切に選ぶ必要があります。また、コンタクトのメーカーや種類を変えると、同じ数値でも見え方や付け心地が変わることがあるため、数値とコンタクトの種類をセットで指定してもらう必要があります。そのため、眼科で検査を受ける必要があるのです。
また、取扱い方法やケア方法が異なることもあるため、医師に相談し、指示に従って使用するようにしてください
コンタクトレンズを安全にご使用いただくために
- 眼科医より処方、指示を受け、それをお守りください。
- 製品に添付されている使用者向け添付文書を必ず読み、熟知ください。
- 装用時間、装用サイクルをお守りください。
- 取扱方法等を守り正しくご使用ください。
- 定期検査を少なくとも年に1回以上お受けください。
- 眼科医の処方、指示に基づき購入するよう努めてください。
- 少しでも異常を感じたら直ちに装用を中止し、眼科医の検査をお受けください。
- 破損等の不具合があるレンズは絶対に使用しないこと