コンタクトを適切に使いたい場合は、ただコンタクトを買うだけでなく、眼科受診をしたり、ケアアイテムを用意したりする必要があります。つまり、コンタクト購入以外にもさまざまな費用がかかるのです。
そこでこの記事では、コンタクトを始めるときの費用について詳しく解説します。眼科受診の必要性についても説明するので、最後までお読みください。
コンタクトの買い方とは?
コンタクトを始めるときは、まず眼科に行き、以下のような流れでコンタクトを購入しましょう。
①眼科で検査や診察を受け、処方箋(装用指示書)をもらう
②眼科の併設店やメガネ店、コンタクト専門店、ネット通販などでコンタクトを購入する
眼科では、自分の目に合ったコンタクトの種類やサイズ、度数を調べてもらうほか、装用練習なども行うため、終了までに1~2時間かかることが一般的です。
コンタクトの買い方の詳細はこちらの記事で解説しています。
コンタクトの入手・購入にかかる費用:3,000~13,000円程度
コンタクトを始めるときには、眼科受診、コンタクトの購入、ケア用品の購入費用がかかります。これらの費用は合計で3,000~13,000円程度が相場です。
(保険診療・自由診療含む、再診料~初診料+レンズ代+ケア用品の費用差。レンズ・ケア用品はのmitemeコンタクト取扱いのメーカー〇社の費用で算出。すべて税込)
眼科受診の費用相場:370~1,620円
眼科では、受診料(初診料または再診料)と検査料が必要となり、保険適用となることが一般的です。
保険適用の場合、受診料、検査料などは「眼科診療報酬点数表」で決められており、費用は点数の10倍、10円未満は四捨五入となります。これらの合計から3割負担、1割負担などの自己負担分を払います。
なお、初診料や再診料は、時間外診療や休日診療の場合はさらに加算があります。また、コンタクトレンズ検査料は病院の規模などによって50点、56点、180点、200点の4種類に分けられます。(すべて税込)
初診の場合:1,020~1,620円
初診料(288点)+明細書発行加算(1点)+コンタクトレンズ検査料(50~200点)=339~539点
3割負担の場合は1,020~1,620円となります。
再診の場合:370~820円
再診料(73点)+明細書発行加算(1点)+コンタクトレンズ検査料(50~200点)=124~274点
3割負担の場合370~820円となります。
眼科受診の費用相場:370~1,620円
コンタクトの値段は商品や販売店によって異なり、ソフトコンタクトなら1箱あたり1,500~10,000円程度、ハードコンタクトなら1箱あたり4,000~46,000円程度と非常に幅があります。
これは、1箱当たりの枚数や、使用期間が大きく異なることが一つの理由です。ただ、長く使えるワンマンスのソフトコンタクトや、ハードコンタクトがコスパがよい傾向にあります。
コンタクトの種類ごとの相場は以下の通りです。(すべて税込)

ハードコンタクトは初期費用は高くなるものの、長く使えるのでコスパがかなりよい傾向にあります。一方、ワンデーはやや値段は高いものの、ケアの手間が省けるなど、それぞれに特徴があります。
また、ツーウィークやワンマンスはコスパがよいように見えますが、ケア用品の費用がプラスになるため、全てを考慮して、自分に合ったものを選びましょう。
ケア用品の費用相場:1ヶ月分約1,200円
ワンデー以外のコンタクトはケアが必要となります。だいたい1ヶ月分が1,200円ほどとなります。
また、レンズを保管するケースは1つ数百円程度です。数ヶ月に一度は新しいものに替えたほうがよいので、年間で1,000円強と考えておけばよいでしょう。
眼科に行かずにコンタクトを使い始めることはできる?
処方箋(装用指示書)提出に関して法的な義務はないため、処方箋(装用指示書)がなくてもコンタクトが買えるお店やネット通販もあります。
しかし、コンタクトレンズはファッションアイテムではなく、「高度管理医療機器」に分類されるものです。つまり、医療機器であり、不具合が起きた時には人体(目)に悪影響が及ぶことがあります。実際に、自己判断でコンタクトを選んで使い続け、目に不調が出たり、眼障害を引き起こしたりするケースは多いと言われています。
そのため、眼科を受診し、処方箋(装用指示書)を受け取ったうえで、その情報を参考にコンタクトを購入したほうがよいでしょう。
眼科に行くことで、目の障害や視力を適切に検査、診断してもらうことができます。また、処方箋(装用指示書)をもらい、自分に合ったコンタクトを選ぶことができます。
眼科に行かないリスクをもう少し詳しく見ていきましょう。
疲れやすくなったり見えにくかったりする恐れがある
コンタクトには、一般的な度数以外にも、乱視度数や加入度数、カーブなどさまざまな指標となる数値があります。
目に合わないものを使うと見えづらかったり、疲れやすくなったりすることがあるため、眼科で適切な数値を知ることが大事です。
コンタクトが目に合わない可能性がある
自己判断でコンタクトを購入すると、素材や形、厚みが目に合わない可能性もあります。そうなると、張り付く感じやゴロゴロした感じなどの症状につながることも。
眼科では度数だけでなく、目に合っているかどうかも細かくチェックし、種類などを指定してもらえるので、眼科で検査を受け、処方箋(装用指示書)をもとに購入するのがよいでしょう。
目のトラブルにつながる
眼科に行かずに自己判断でコンタクトを購入すると、コンタクトが目に合わないことによるトラブルにつながる恐れがあります。さらに眼科では、コンタクト使用中は定期検査を勧められることも多いですが、最初に眼科に行かないと、その後の受診の機会も減ってしまい、目の病気などに気づくのが遅れるリスクもあります。
なお、自覚症状がなくても目のトラブルが起こっていることがあるので注意が必要です。そのため、コンタクトを始めるときはもちろん、その後も1~3ヶ月に1度は検査を受け、目の状態や、合うコンタクトが変わっていないかなどを確認してもらいましょう。
自己判断でコンタクトを使ったり、不適切な使い方をしたりしていると、以下のような目の病気にかかり、悪化すると失明することもあるため注意してください。
- 角膜上皮障害:角膜の一番外側の上皮がむけたり、欠損したりして、強い痛みが生じる
- 角膜内皮障害:角膜の一番内側にある内皮が傷ついてむくみや混濁が生じる
- 巨大乳頭性結膜炎:上まぶたの裏側にぶつぶつができ、かゆみや目ヤニが発生する
- 角膜血管新生:目の酸素不足によって角膜周辺部から中央部にかけて血管がのび、角膜のにごり、視力障害、失明のリスクも生じる
コンタクト以外の視力回復の方法と費用
コンタクト以外に視力を矯正・回復させる方法には、メガネ、レーシック手術、ICL、ルソケラトロジーなどがあります。
レーシック手術とは、レーザーを角膜に当て、屈折率を変えて視力を調整する手術です。基本的には半永久的に効果が続くとされています。
そして、ICL(眼内コンタクトレンズ)は、目の中に小さなレンズを入れ込んで視力を矯正する方法です。
また、オルソケラトロジーとは、寝ているときだけ専用のハードコンタクトレンズを装着することで角膜のかたちを矯正し、日中の視力を回復させる方法です。
それぞれの費用は以下の通りです。(両目の場合)
- メガネ:2万円程度〜
- レーシック手術:14~35万円程度(おおむね30万程度)
- ICL:45~100万円程度
- オルソケラトロジー:15~20万円程度 ※3年に1度レンズ交換の必要があり、都度2万円程度かかる
このように、視力を矯正する方法には、コンタクト以外にもさまざまな方法があります。費用や定期メンテナンスなどの手間を考え、自分に合った方法を選びましょう。
コンタクトレンズを安全にご使用いただくために
- 眼科医より処方、指示を受け、それをお守りください。
- 製品に添付されている使用者向け添付文書を必ず読み、熟知ください。
- 装用時間、装用サイクルをお守りください。
- 取扱方法等を守り正しくご使用ください。
- 定期検査を少なくとも年に1回以上お受けください。
- 眼科医の処方、指示に基づき購入するよう努めてください。
- 少しでも異常を感じたら直ちに装用を中止し、眼科医の検査をお受けください。
- 破損等の不具合があるレンズは絶対に使用しないこと